昨日の話、続きです。PAの話を中心に書きます。
今回のコンサートでは、ボーカルなしのインストゥルメンタル、しかもそれぞれの楽器がそれなりにボリュームがある楽器なので、PAはいっそ必要ないんじゃないかというぐらい楽観的に考えていたのですが、バランスを取っていくうちにやはり全楽器をきちんと集音して持ち上げたほうがバランスが取れて気持ちよさよう、という結論になりました。終わってみればここ数回の中では地味にいちばん音作りに気を張りつつも、終わってみればかなりいい音場を作ることが出来たな、とちょっとだけ自負できそうな回になりました。
そして今回も嬉しいことに、ライブ終了後に何人かのお客さんから声をかけてもらいました。PAをやっていて声をかけていただけるのはなかなかないので、PAについて説明したり、こんなことに気をつけてPAやってるんですよ、という話をしたら「PAって奥が深いんですねぇ」と興味を持っていただけたようなので嬉しかったのですが、思ったよりもいろんな方に興味を持っていただけてるようなので、メモ代わりにそんな話を書いてみたいと思います。ちなみにPA歴はずっと継続的にやってたわけじゃありませんが携わり始めてからは15年ほどです。
「PA」って何をする作業?
PAはPublic Address(公衆送信)の略で、主にコンサートの「音」を作ります。マイクでそれぞれの楽器の音を拾い、それらをバランスよくまとめる作業です。ミュージシャンと話し合ってなるべく気持ち良く演奏できるような音場にすることを心がけています。もちろんお客さんにバランスよく音を届けるのがPAの最大の仕事ではあるのですが、演奏者にとって気持ち良い音が出ることでよりよい演奏が引き出され、それがお客さんに届くのがベストだろう……という考えから、個人的には演奏者の耳に届く音というのをやや重視しています。
具体的にはどういう作業を?
ぼくはほぼアコースティック系のコンサート専門でPAをしているのですが、主にやっているのは「ボリュームバランスの調整」と「残響(カラオケのエコーみたいなやつ)の付加」です。演奏する楽器の中に他よりも音量の小さい楽器があればたくさん増幅し、音の大きい楽器とのバランスをとってどちらも聴きやすくします。
それと、特にボーカルや笛系のリード楽器等には後者がとても大事と考えていて、これがあるかないかで演奏者の弾きやすさが大きく変わります(試しにカラオケに行って、エコーを入れたり切ったりしてみてください。すぐ分かります)。ぼく自身が自分の笛をレコーディングする際に「このぐらいの残響が気持ちいい」という感覚を経験的に持っているので、そのあたりも叩き台にしながら刷り合わせていきます。
本番中もモソモソ動いてるみたいだけど……?
本番中はけっこう忙しいです。曲ごとに演奏の音量のバランスを取るのはもちろんのこと、今回のコンサートの場合は使い分ける楽器の種類や音色によって音の具合を調節したり(笛の音色によって残響の残り具合なども違ってきます!)、逆にMCでトーク中に残響がかかると聴きとりづらくなるので全カットしたりと、こまごまと調整をしています。ミュージシャンの盛り上がりにつれて演奏の音量も大きくなっていったりすることはよくあるのですが、盛り上がっているからと言ってそのまま音量を上げっぱなしにしているとハウリングを起こすこともあるので、場が気付かない程度にさり気なくPAのボリュームを下げたりもします。
どうなればPAとして「成功」なの?
最終的には、演奏者にもお客さんにも「PAをしている」ということが全く意識に入ってこないような自然なPA、というのを理想にしているので、ライブがうまくいってるときほど普通の人にはなかなか存在が気付かれにくいです(笑)。でも裏ではこんなことを細々とやっています。もしコンサート会場でPAさんを見かけたら心の中で「がんばれ!」って励ましてあげてください。